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マグロのブロックについて
おさかなマイスター野呂英樹が紹介するマグロのブロックについて
マグロは、部位によって味も価格も大きく異なります。 マグロは魚体が大きいので、他の魚に比べて身を支える筋が太く、頭の方から順に上(カミ)、中(ナカ)、下(シモ)と呼び背側と腹側に分かれます。1本のマグロは腹側でロイン2本、背側で2本取れます。
おいしく食べてもらうために、ブロックごとの特徴をご説明します。
※ロイン:3枚におろして、2つ割の状態にしたもの
部位 | カミ | ナカ | シモ | |
---|---|---|---|---|
背 | 赤身・中トロ | 赤身・中トロ | 赤身 | |
腹 | 赤身・中トロ・大トロ | 赤身・中トロ・トロ | 赤身背側(カミ) |
マグロの背側(カミ)は脂の乗った頭肉に一番近い部分で、背側では一番中トロが入ってくる部位でもあります。
背サンカクは刺身もいいですが、串カツもオススメです。
背側(ナカ)
背側の真ん中にあたる背(ナカ)は、魚体の中で一番太い部分にあたり、スジが少ないのが特徴です。
脂の乗ったマグロであれば、ここが一番おススメです。見た目が赤身でも、食べてみてびっくりするくらい、しっかり脂が入っている部位でもあります。
背側(シモ)
マグロの背側(シモ)は、筋が細いのが特徴で、尾に近づくにつれ、筋肉部分が増えます。
筋(すじ)は、人間でいうところの腱(けん)にあたり、筋に含まれているコラーゲンは、刺身では固いものの、ステーキ等加熱すると非常に柔らかくなります。
もちろん、刺身で食べられる部分もありますので、天然クロマグロの赤身を堪能できます。
腹側(カミ)
マグロの腹側(カミ)は、大トロが入ってくる部位です。さばく難易度が高くなりますが、贅沢に、大トロ、中トロ、赤身を味わうならこの部位で間違いなし。
うまくさばけなくても、スプーンで身をとって、包丁でたたけば、最高級ネギトロの完成です。
腹側(ナカ)
マグロの腹側(ナカ)は、腹カミ程の大トロは獲れませんが、十分脂がのってくる部位です。
中トロが多くとれ、天然クロマグロの中トロを味わいたい人に、この部位はおススメ。
腹側(シモ)
マグロの腹側(シモ)は、背側に比べ、腹側の方が短くなってしまうため、腹シモは他の部位に比べ、少量になります。
値段も手ごろなため、試しに買ってみようかなという方におススメです。
その他ブロックに含まれる部位
血合い
生マグロの血合いは、これ以上ないくらいの鮮度のマグロです。
生姜と一緒に、甘辛く煮てもよし、下味をつけて、竜田揚げも最高です。その他、ステーキや、血合いのユッケするのもオススメです。 骨が入っていることもあるので、気を付けてください。
サンカク
筋をきっちり遮断するような切り方をすれば問題なく、刺身にできます。ぶつ切りにして、青森県が生産量1位を誇るナガイモをすりおろして、ご飯にかけるものなら、何杯でもいけてしまうはず。 料理好きな方や、飲食店をやっている方は、串カツやねぎま鍋などにしてはいかがでしょうか。
サンカクを使いこなせば、間違いなく料理の幅が広がります。
皮(皮目の脂)
捨ててしまいがちですが、皮がうまいのです。皮の表面をキレイに洗ったら、スプーンを用意しよう。スプーンで皮目についている白い脂をとって、マグロの切れ端と一緒に包丁でたたけば、自家製のネギトロが完成します。これに、ねぎ、しょうが、みそをお好みで入れれば、マグロのなめろうが出来上がり。
脂を取り除いた皮は、1.2分ボイルすると、鱗がとれます。その鱗をキレイに洗い流して、皮を千切りにしてみてください。ポン酢をかければ、マグロの皮ポン酢が完成です。
株式会社あおもり海山 取締役営業部長 野呂英樹
2014年、青森県職員から株式会社あおもり海山へ入社。 青森市出身。東京水産大学、東京海洋大学大学院卒。
海洋生物資源管理者、おさかなマイスター。
趣味は釣り、野球、料理、旅行など。
子どもの頃から「将来は海に関わる仕事を」
幼いころ、父親と海釣りをしていた影響から海が好きでした。自然と将来は海に関わる仕事がしたいと思うようになり、青森市内の高校を卒業後は東京水産大学へ進みました。さらに東京海洋大学大学院で水産資源の持続的漁業について研究しました。
青森を離れ、東京に住むことで地元青森について改めて思うようになりました。海に囲まれ、水産資源は豊富にあるにも関わらず、漁業に活気がない、何とかしたい!と強く思い、地元青森の漁業活性化のため、学んだ水産の知識を生かすべく、2009年に青森県の水産技師として入庁しました。
社長と出会い、株式会社あおもり海山へ
県庁職員時代には県内各地の漁業者と関わり、現場に出て初めてわかることもありました。青森は資源に恵まれているが、知名度が高くなく、漁業はとても厳しい状況で、魚が獲れても価格が安く、大漁でも収入は上がらない、大漁になるとむしろ単価が下がってしまう、首都圏から距離があるため運送コストがとてもかかるなど現実をいたく実感しました。魚の付加価値を高める必要があり、県職員としてやれることは限られていたため、漁業者と「NPO法人 Fair Trade Fishery.(フェア トレード フィッシャリー)」を立ち上げました。
地元の漁業と深く関わり、活動していくうち県職員として働き続けることに疑問を持つようになりました。このまま県庁職員として、水産業の盛り上げ役に徹するのがいいのか、それとも民間に飛び出し、自分にしかできない仕事をやることによって青森県を盛り上げていく方がいいのでは、と考えていたとき、知人の紹介で 株式会社ホリエイ社長である堀内に会いました。青森の漁業活性化のため力を尽くしたいとお互い強い思いがあり、すぐに意気投合しました。 ちょうど株式会社あおもり海山を立ち上げたばかりの時期で、 県職員を辞めることに反対する声もありましたが、株式会社あおもり海山でやってみたい、ここなら自分の思いが実現できそうだと入社を決意しました。
青森マグロ
大間マグロばかりが有名となっていますが、 他にも深浦・三厩・竜飛・小泊など青森県は全国でも有数の天然本マグロの産地です。なかでも深浦マグロは県内一の漁獲高です。マグロは獲るだけではなく、素早く、どのように処理するかも大事です。処理方法だけでも雲泥の差がでます。
獲れたマグロのうち、活きの良いものだけをすぐに特製ワイヤーで神経抜きした「船上活〆」のマグロは、専用タグがつけられ高品質本マグロとして扱われています。新鮮ならそれだけで美味しいと言うわけでもありません。十分に熟成させ、うま味を引き出してから解体、さらに急速冷凍し、超低温冷凍庫で保管することで風味をキープしています。
漁業を盛り上げる活動の一つとして、定置網に入ったクロマグロ幼魚を放流する技術開発など資源を守る活動もしています。これからも美味しいと思ってもらえる青森マグロをお届けしたい、知名度を上げ「青森=マグロ」となるよう、努めてまいります。